CASE STUDY

人手不足に対応し自動化
持続可能な生産体制を確立

マルカイチ水産株式会社

導入製品:オートシェラー

「海の幸を人の幸へ」
最新の生産体制と厳しい品質管理の工場からを全国へ。

マルカイチ水産様は流氷の街、紋別港の一角に位置する全国有数の規模を有する水産加工会社。
カニやホタテ、サケ・マス、イクラ、キンキなどを幅広く加工・販売しています。
衛生管理を徹底させた各施設で、獲れたての鮮度と製法にこだわった本物のおいしさを国内外へ届けています。

マルカイチ水産株式会社


  • 代表取締役社長 :
  • 片山 裕一
  • 創業 :
  • 1960(昭和35)年
  • 所在地 :
  • 本社工場/北海道紋別市  
    直売店・飲食店/2店舗
  • 事業内容 :
  • 水産物の輸入・販売・卸売・加工・小売業
    カニ、ホタテ、キンキ、鮭、マス、イクラ、鮮魚他
    ISO22000・対米HACCP・EU HACCP認定企業
  • ◎公式サイト  
  • http://www.marukaichi.co.jp/

素材の味を生かしたホタテ製品
国内外で高い評価

マルカイチ水産株式会社様は、オホーツク海に接する紋別市で計8棟の工場・冷蔵庫を構える創業50年の水産加工会社です。オホーツク近海で水揚げされる魚介類や加工品、ロシアから輸入している活カニなど販売しています。
このうちホタテはカニに次ぐ第2位の売り上げ規模を誇る重要な商品。地元、紋別ほかオホーツクの各地から手当てする原貝を、玉冷(冷凍貝柱)や生玉(生貝柱)、活貝、冷凍両貝にして国内外に販売しており、その扱い量は年々増加しています。
主力の生玉・玉冷ホタテは、ホタテの風味が損なわれず、素材本来のうま味、食感が保持され、高鮮度で味わえるのが魅力で、安定した人気を獲得しています。
しかし、課題となっているのが「人手不足」です。ホタテ加工(貝剥き)は大勢の人で人海戦術で行うのが常だっただけにその影響は大きい。その解決策として、2018年に「オートシェラー」を1基導入し、貝剥き作業の一部を機械で行い、使用ノウハウを蓄積してきました。そして2020年に既存工場をホタテ貝剥き工場に改修し、オートシェラーを2基追加設置され、計3基体制で稼働しています。

マルカイチ株式会社 代表取締役社長 片山様

人手不足の解決策として
殻剥き作業の自動化が不可欠

「省人化が一番の目的ですね。紋別でも人口減少や高齢化が進み、加工場で働く人を確保するのが非常に難しくなっています。対策をしなければ、いくらホタテが揚っても十分に加工できないという事態になりかねません。」
オートシェラーを導入した経緯をお聞きしたところ、開口一番に片山社長がおっしゃいました。
ホタテは地元の紋別、オホーツク沿岸をはじめ、道内各地で水揚げがあり、原料事情が良好なことから、水産加工事業の柱のひとつとしてさらに伸ばすには、人手に頼っている殻剥き作業の自動化が不可欠だと判断されました。
「紋別に限らず、少子高齢化・人口減少にが進み、加工現場の人手不足が深刻化しているうえ、新型コロナ禍に伴い外国人技能実習生の入国遅れも重なり、当社で製造する玉冷、生玉で一番手がかかるのがホタテの脱殻工程で、ここで詰まってしまうと製品化に進めないんです。」

 

導入の決め手はニッコーの技術力
省人化・生産性向上・コスト削減が図れた

「ニッコーさん独自の自動貝剥き機、他社にはない機械ということで、ニッコーさんの技術力を評価して導入を決めました。」
2018年に「オートシェラー」1基をご導入され、貝剥きの一部を機械化に着手されました。2シーズン使用してみて、「人手で剥いたのと機械で加工したのとでは、貝柱がほぼ変わらない状態」であること、「省人化でき、生産性向上・コスト削減」が図れたことを実感され今後の事業計画を実行するため、オートシェラー2基増設と既存工場1棟を増改築しホタテ加工の専用工場とされました。
3基体制になったことで、年間の原貝処理量は3割程度増加し、さらに約7割の人員を削減できました。コロナの感染拡大防止の観点からも加工現場の密状態解消にもつながっています。

貝の大きさや付着物の状況によっては機械で処理できない貝(不適合貝)もある等、課題が全くゼロというわけではありません。
「人手不足への対応という観点からすると、オートシェラーはとても有効な機械です。工夫して使いこなすことが重要です。」
新工場では、オートシェラーに適合する大きさの原貝の選別機や洗浄機も導入されました。
「事前に処理した貝をセットすることで、スムーズな稼働が見込め生産効率も上がると考えています。」

オートシェラー工程:上貝を開口

オートシェラー工程:貝柱カット

手作業では30〜40人必要な作業が10人でできる
1日20トンの原貝処理作業で20人以上の省人効果

「新工場ではオートシェラー3基で1日20トンの原貝を処理していますが、20人分以上の省人効果が出ています。人手不足のなか、20人というのは非常に大きい数字です。またコロナの感染拡大防止の観点からも加工現場の密状態解消にもつながっています。」
現場では原貝を機械にセットする6人と、不適合貝を処理する人など合計10人で稼働しています。手作業では30〜40人は必要な作業を10人に省人化し、余剰人員はウニやイクラといった他商材の生産ラインに配置しています。また、手作業に比べ、貝柱の芯まできれいに取り除くことができ、歩留りが1%近くアップしました。
「機械の増設でホタテの処理が先期1日40トンに対して、今期は1日50トンが可能になったほか、余裕のできた人員を他の部門に配置することで、企業全体の生産性が向上します。」と片山社長。

オートシェラーでの作業風景

原貝洗浄装置・選別装置も導入

これからのホタテ事業の進め方をお聞きしたところ「生産環境が厳しくなる魚種が多い中、ホタテは生産が安定した貴重な水産物です。当社での年間の扱い量も近年、増加傾向にあります。需要も根強く、特に玉冷は和食・洋食・中華のいずれの料理にも適すので人気があり、世界的需要も拡大しています。ホタテ事業を進めていくうえでは、この玉冷を中心にすべきだと考えています。せっかく地元で揚がるホタテを、原貝のまま販売するのではなく、できるだけ地元で玉冷にまで加工して付加価値化して国内外に出荷したいです。そのためにも原貝を剥く体制をしっかりと整えておくことが重要です。」と片山社長。将来的にはパッキングまでの工程を自動化し、交代制で24時間稼働を実現したいとのことでした。

皆さんの食卓や居酒屋、レストランで食べるオホーツク産の美味しいホタテは、マルカイチ水産様のホタテかもしれませんね。

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オートシェラー

殻・ミミ・ウロ・貝柱を自動で分離する世界初のホタテ貝生剥き装置。手剥きと同等の製品を省人化と歩留まりアップで実現します。

オートシェラー
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