失敗しないロボットSIerの選び方[Vol.2]
ロボットを導入しても動かない?!
成功のカギは「ロボットSIer」
Robot Column Vol.2 ― Why Robots Alone Don’t Work: The Role of Robot SIers
人手不足を解消したい
生産性を上げたい
省人化を進めたい
ロボットの導入には興味はあるけど、何から始めたらよいのか
そのような悩みを抱えている経営者、工場長様は多いのではないでしょうか。
でも、そんな方でも心配はいりません。
このコラムを読んでいただければ、ロボットシステム導入検討から導入後の運用まで、必要最低限の知識がおわかりいただけます。

第1回は、人口減少時代において、ロボットは単なる省力化機械ではなく、企業の持続的成長を支える戦略的な設備である、現場でよく使用されている産業用ロボットの種類とその特徴を解説しました。今回は、ロボットを導入しても「動かない」ケースがなぜ起きるのか、その原因と解決策を掘り下げます。
1 ロボットは“半完成製品

ロボットを導入するだけで「工場の自動化」の実現にはなりません。
産業用ロボットは“半完成製品”と呼ばれ、ロボット単体では人間の代わりに仕事をすることが出来ないからです。
人の手の代わりとなるハンドを取り付け、ロボットがどのような動作を行うかをプログラミングし設定。さらに、ロボットを周辺機器、製造ラインといった製造設備と組み合わせ、その生産現場に合わせた「ロボットシステム」を構築しなければなりません。
では、どのようにして「ロボットシステム」を構築・設置すればよいのか。
知識や技術を身につけるには膨大な時間が必要になります。
また、現場に合わせたシステムを組み上げて調整、さらにアフターフォローまでをおこなうためには経験も重要です。
そのときに力になってくれる存在こそが「ロボットシステムインテグレータ(ロボットSIer)」です。
ロボットは、搬送・整列・制御・安全装置など周辺機器やシステムと連携してはじめて“動く”仕組みになります。
2 ロボットシステムインテグレータ(ロボットSIer)とは?
ロボットの導入は、「ロボットを作ったロボットメーカーがやってくれるのでは?」と思うかもしれませんが、ロボットメーカーと連携したロボットSIerが対応することが多いです。理由として、生産ラインなどでロボットが活躍するためには、動作するためのプログラムや周りの設備を整備し、現場に応じたシステムを作る必要があるからです。
自社に最も適したシステムを築くときは、ロボット導入のエキスパート「ロボットSIer」にサポートを依頼しましょう。
ロボットSIer主な業務として、ロボットシステムの「構想・企画」、「設計」、「組み立て・設置」などが挙げられます。
この中でも、ある業務工程のみを専門とするロボットSIerもあれば、すべての工程から導入後のアウターフォローまでを一括しておこなう会社、さらには「工業系」「食品系」や「箱詰め作業専門」というように、特定の業種や作業工程に特化した会社など、さまざまなロボットSIerが存在します。
ではどんなSIerを選べば良いのでしょうか。

SIerは、構想設計・機械設計・制御・立ち上げ・保守までを一貫して担う「自動化の専門家」です。
導入先の環境や製品特性に応じて、最適なロボットと機器を組み合わせ、お客様の生産現場に“動くシステム”として提供します。
3 どんなSIerを選ぶべきか
ロボットシステムの導入を成功させるうえで、SIerの選定は最重要項目です。
単に「ロボットを扱える会社」ではなく、現場の課題を理解し、最後まで責任を持って動くパートナーを選ぶことが成果に直結します。
SIerを選ぶポイントとして、まず挙げられるのが「同業種・同工程での実績」です。
実績は、そのSIerがどの分野に強いかを判断する一番の指標です。
食品や水産、組立、包装など、同じ工程の経験があるSIerは、過去のトラブルや課題を熟知しており、導入時のリスクを大幅に減らせます。
また、導入後の生産性データや改善ノウハウを持っている点も大きな強みです。
次に「設計から制御までの一貫対応力」。ロボット導入は、構想設計・機械設計・電気制御・プログラミング・調整・保守が密接に関わります。
この工程を分業せず一貫して担えるSIerであれば、トラブル発生時も迅速に原因を特定し、再発防止策まで提案できます。
逆に外部委託が多いSIerでは、責任の所在が曖昧になりやすく、対応に時間を要するケースもあります。
3つめに「現場課題に応じた柔軟な提案力」。
既製品の組み合わせではなく、現場のスペース・作業フロー・衛生基準などを考慮した最適化設計ができるかどうかが重要です。
優れたSIerは、お客様の“課題の本質”を聞き出し、「ロボットでやらなくても良い部分」まで含めてトータルで提案します。
最後に「導入後のサポート体制」も重要です。
ロボットは導入して終わりではなく、稼働後の安定運用こそ本当のスタートです。
稼働データのモニタリング、メンテナンス契約、消耗部品の交換周期、遠隔サポート体制など、運用支援が整っているかを必ず確認しましょう。
特に、トラブル時の初動スピードは生産損失に直結します。対応が速く、担当技術者が常に連絡できる体制が理想です。

ロボットを「買う」ことが目的ではなく、“動かして成果を出す”ことが目的。
その実現を支えるのが、経験豊富なロボットSIerです。
次回予告
第3回
ロボット導入を成功させる5つのステップと実践事例
導入を成功に導くための5つのステップと実際の導入事例をご紹介します。
