失敗しないロボットSIerの選び方[Vol.1]
人口減少時代の生産現場に求められる
ロボット活用とは
Robot Column Vol.1 ― Robotics for a Workforce-Declining Era
人手不足を解消したい
生産性を上げたい
省人化を進めたい
ロボットの導入には興味はあるけど、何から始めたらよいのか
そのような悩みを抱えている経営者、工場長様は多いのではないでしょうか。
でも、そんな方でも心配はいりません。
このコラムを読んでいただければ、ロボットシステム導入検討から導入後の運用まで、必要最低限の知識がおわかりいただけます。

1 人手不足が深刻化する日本の生産現場
日本の労働人口は2008年をピークに減少を続け、2040年には約2,000万人が減ると予測されています。
この流れは製造業・食品加工業をはじめ、あらゆる産業で現場力を低下させる要因となっています。
労働市場の未来予測2030(パーソナル総合研究所・中央大学)によると、2030年には食品製造を含む製造業では39万人の人手不足が予測されており、現在よりも深刻な人手不足が見込まれます。
現状でも50.8%が正社員の人手不足を感じています(2025年7月帝国データバンク調べ)
人が集まらない、技術を継承できない――こうした課題の解決策として、いまロボット導入による自動化が強く求められています。

2 政府の「ロボット新戦略」と導入の加速
日本政府は2015年に「ロボット新戦略(Robot Revolution Initiative)」を策定し、“世界一のロボット利活用社会の実現”を目標に、各分野での導入支援を進めてきました。背景にあるのは、少子高齢化による深刻な労働力不足。製造業だけでなく、農業・建設・介護・物流など、あらゆる現場で自動化が急務となっています。
この戦略では、ロボットの社会実装を加速させるための三本柱が示されました。
1つ目は「製造業の競争力強化」。中小企業の生産性向上を目的に、導入補助金やロボット導入実証事業が推進されています。
2つ目は「サービス分野でのロボット活用」。物流・小売・医療・介護など人手不足分野への展開を重点化。
3つ目は「次世代技術の研究開発」で、AIやセンサー技術と組み合わせた“スマートロボット化”が進んでいます。

また、経済産業省やNEDOによる支援プログラムも整備され、実証事業・補助金・標準化・安全ガイドラインなど、導入を後押しする環境が整ってきました。特に食品・水産加工など、これまで自動化が難しかった分野でも、近年は柔軟なロボットハンドやビジョンシステムの進化により導入が加速しています。
こうした政策の流れは、単に機械の普及を促すものではなく、「人とロボットが協働する新しい産業構造」をつくる国家戦略です。
現場を理解し、実践的な自動化を提案できるロボットSIer(システムインテグレータ)の存在が、この変革の中でますます重要になっています。
3 産業用ロボットの種類と特徴
それでは「産業用ロボット」とはどのようなロボットなのでしょうか。
JISでは「自動制御され、再プログラム可能で、多目的なマニピュレーターであり、3軸以上でプログラム可能で、1か所に固定してまたは運動機能をもって産業自動化の用途に用いられるロボット」と定義している。マニピュレーターとは人の手や腕の代わりに作業する機構を指します。産業用ロボットで言えばアーム本体のことです。
ロボットは産業用ロボットとサービスロボットに大別でき、産業の自動化に使うものが産業用ロボット、日常生活の支援など産業の自動化以外の用途に使うものがサービスロボットです。

産業用ロボットにはさまざまなタイプがあり、代表的なのが「垂直多関節ロボット」「スカラ(水平多関節)ロボット」「パラレルリンクロボット」「直交ロボット」の4種類です。
産業用ロボットは本体であるアーム(マニピュレーター)、制御ボックス、ティーチングペンダントの3つで構成されるのが基本です。制御ボックスには電源やサーボコントローラー、サーボアンプ、周辺機器用の接続端子などが収められています。ティーチングペンダントとは、ロボットの操作やプログラミングに使う手持ちの操作盤のことです。
ロボットハンドなど、アーム先端に取り付けるエンドエフェクターと呼ばれるユニットは別売りです。市販品もありますが、ロボットで扱う対象物に合わせてシステムインテグレーター(SIer)が製作することが多いです。






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